国内リゾートウェディングの相場と実情
いまどきのウェディングスタイルを調べていて、沖縄から見つめているなら絶対にはずせないカテゴリー「リゾートウェディング」について書いていないことに気づきました。いまやカップルごとにウェディングスタイルが存在するといっても良いぐらい多種多様になりました。
そんななかでもあこがれてやまないリゾートウェディングは人気のスタイルのひとつです。でもじつはリゾートウェディングを希望する女性は多くいますが、そのなかで実際に行ったカップルはそんなに多くありません。
大手結婚情報サイトのアンケートでも、挙式実施者のなかで、国内でリゾートウェディングを行ったのはわずか4.3%と非常に少ない。海外での挙式が4.8%と比べてわかるとおり、「高い・移動が面倒・招待客選定が面倒」などといったイメージ先行で実施率が低いようなのです。今回はそんなリゾートウェディングについて、理想と現実を一緒にのぞいてみましょう。
「国内リゾ婚」の人気が上がってきている4つの理由
平成26年3月、平成26年度の沖縄におけるリゾートウェディングを挙げたカップルが12、068組あったと発表されました。
平成11年度で200組しかなかった沖縄でのリゾ婚は、十数年で60倍以上の1万組が挙式する一大ウェディングスタイルとなってきています。
これでも沖縄でリゾ婚を扱う企業60社のうち43社のアンケート回答ですし、個人でドレスや宿泊先を手配して地元の協力で挙げるカップルもあるようなので実数はもう少し多いと推測されます。
しかもこの1万組のなかで、約1100組は海外からのカップルというからそれもオドロキ!
香港で約60%、台湾が約30%ということから、遠いハワイなどよりも飛行機に乗って数時間で行ける沖縄のリゾートが手軽ということで注目を集めているようです。
国内では関東が約40%、近畿23%、中部が16%となっていることから、関東地域からのカップルが多く利用されていることがわかります。
そんなリゾ婚の人気が上がっている理由を調べてみました。
1.魅力的な会場
沖縄をはじめ、リゾートウェディングにはロケーションが大切。
でもその場所で魅力的なチャペルや交通・宿泊施設がないと挙式を挙げることはできません。
そこで各リゾ婚に着目した地域が魅力的な施設を増やしてきているというのがポイント。
沖縄だけでなく、北海道、那須、伊豆、箱根、軽井沢、八ヶ岳、九州といった日本各地にリゾ婚を売りに魅力的なプランを宣伝しています。海外に行かなくても十分納得のいくリゾ婚ができそうです。
2.親のツアーコンダクターをしなくていい
リゾートウェディングと言えば海外が主流でしたので、悪いイメージのひとつに「言語」がありました。せっかくバカンスを兼ねたリゾ婚なのに、海外では挙式を済ませた後親をつれてリゾート各地を回らなければならないという手間が発生。 なんのために海外で挙式をしたのかわからぬまま帰りの飛行機では爆睡で疲れて帰国、なんていうイメージがいまだにあるようです。 でも国内でのリゾ婚ならば、親は好きに観光しても全く心配がありません。親戚や近所へのお土産を買い、地元の人たちと仲良くなるのも、また旅の思い出として喜ばれる親御さんも多いそうです。
3.海外にこだわらない世代に入ってきた
バブルを駆け抜けた世代にとってリゾ婚といえば、カリフォルニアやハワイといった海外挙式でそのステータスは帰国後数年の間、周囲の人に自慢できるスタイルでした。しかしバブルははじけ芸能人のハデ婚もめっきりメディアに出なくなってきた現代では、リゾ婚イコール海外というイメージは昔より薄らいでいるようです。「自分らしく、ナチュラルに、無理をしない、オンリーワン」という価値観から国内リゾートウェディングはピンポイントでターゲットに刺さるウェディングスタイルとなってきています。
4.「ロハス」という考え方
ロハスとは「Lifestyles Of Health And Sustainability」の頭文字をつないだもので、「健康や持続可能性を重視するライフスタイル」という意味の造語です。環境に優しく、のんびり、ゆったり、シンプル、健康的といったキーワードがそれにはまります。この思考はとくに30代を中心に広く共感を得られていて、旅行や趣味などを自分らしくせかせかしない範囲内で行っている方々が増えています。この考え方はリゾ婚にも反映されていて、肩の力を抜いてゆったりとした時間の中で挙式スケジュールを組むプランが多数提供されるようになっています。料理もその時の料理を盛り、気の置けない仲間をゲストとしてゆったりとした歓談、そんなウェディングスタイルを求めてリゾ婚を選ぶカップルが増えてきているのです。
国内リゾ婚の気になる費用は
思ったより安くできる
リゾートウェディングをやろう!と決めたとき、まずやるべきことはやりたい地域の式場プランナーに相談すること。電話やメールだけでなく、実際に式場へ足を運んで相談するとイメージだけでは見えない、いいこと悪いことが判断できます。まずは各式場に見積もりを提出してもらい、比較検討するようにしましょう。 リゾ婚の費用は思ったより安くできるのが魅力です。
費用が低い理由は、ゲスト数
その最大の理由は、遠方での挙式ということで招待客が絞られ、そのため料理代などの人数分のコストが格段に抑えられること。
披露宴でもっともお金のかかるのは料理代とドレス代。ドレスは式場が用意するものの中から選ぶので、リゾ婚だろうと地元の式場であろうと大差はないはず。
ただロケーションを活かした撮影や挙式を行いたいのであれば、膝丈ドレスなどといった足元が動きやすいドレスを選ぶようにしましょう。
リゾ婚の招待客の平均が10名から20名程度。式場によっては、チャペルウェディングからパーティーまで含めたパックプランで10名50万円からというものもあります。
人数や宿泊で大きく変動しますので、式場見積もりプラス宿泊、往復交通費などといった見積もり外の費用も合わせて検討することを忘れないでください。
もしふたりだけで挙式をするとなれば、格安航空・オフシーズンの宿泊・フォトウェディングといったプランを組み合わせると、10万円プラス観光費用でも十分楽しめるのではないでしょうか。
リゾ婚で押さえておきたい注意点
1.来場できない分、綿密なやりとりを
式場が決まったら、そこから当日までが勝負。
目で見て判断しにくいことは画像を添付したメールのやり取りや、パンフレットなどを郵送してもらって細かくチェックするようにしましょう。また担当者とはなんども電話などで打合せをします。当日になって「知らなかった、聞いてない」と言われることが、プランナーにとって一番の気がかり。やり取りした内容をとっておき、ある期間ごとに細部まで確認を繰り返すことこそ、ケアレスミスをなくす一番の方法です。式場以外に発生する宿泊・交通費・観光・レンタカーなどといったものも相談すると、懇意にしているところを紹介してもらえるはず。なんでも質問をしてわからないことは遠慮なく聞いて、その場で解決法を探すようにしましょう。
2.交通費や宿泊費は誰がもつ?事前にきちんと取り決めを
通常は「お車代」としてゲストの交通費を持つのはお二人、両家の立場となります。
でもリゾ婚の場合、ゲストがもっとも仲の良い方に限られていることからゲスト自身に持ってもらうこともあります。
お金のことはトラブルになりやすいため、事前にきちんと取り決めをしておきましょう。
招待の時点でそれぞれかかる費用を相談し、出せる金額と出してもらう金額を納得してもらったうえで招待するとトラブルは最小限にとめられます。
場合によってはお祝儀はいりませんということで招待し、「旅行がてら挙式に出席、おいしいご飯を用意して待っています」というスタンスもアリです。
自分たちに合ったスタイルを検討し、両家で相談して招待するようにしましょう。
3.ゲストの交通・宿泊の手配もきっちりと
おふたりが現地へ移動するときに、旅行会社を利用するならまとめてしまうと安い時もあります。個別に現地入りして宿泊先も自由というのもいいですが、向かうときの交通手段と挙式日までの宿泊施設を統一しておけば、出欠確認などの手間が省けます。挙式までの交通と宿泊は手配しても、それ以降は自由にしてもらったほうがゲストも自分のリフレッシュ時間として活用できますので、あまりキツイ日程を組まないようにしましょう。
4.招待客への引出物と帰宅後のケア
引出物はいろいろ悩むところですが、先に述べたように交通費などを自前で出して参列したゲストですから帰りに荷物になるようなものは避けるべき。小さなものを用意するか、帰宅後に届くよう手配できる品物を検討しましょう。式場側にも引出物を相談する際は、要冷蔵のようなものを急に持ち込んでも対応ができない場合もあります。事前に引出物の対応をお願いしておくようにしましょう。
また現地からもどったら、ゲストにお礼状を送りましょう。現地での写真や別送する引出物といっしょに同封して構いません。ふたりの素敵な結婚式に共有できた喜びをいつまでも想い出にしてくれるのが、リゾ婚の魅力の一つと言えます。