結婚披露宴を男目線から考える10個のこと
結婚式は女性主導で準備されていくことが多いもの。お気に入りのチャペルに会場内の装花、ウェディングケーキにドレス選び、そのほとんどが男性からの意見を入れる余地がないほど女性意見が反映されます。もしケチをつけようものなら、その後の生活でずっと言われ続ける覚悟で発言しなければなりませんよね。
でも実際にブライダルアドバイザーからすると、男性目線の意見も取り入れてほしいところや準備の時に男性ならではの意見を取り入れてほしい個所があります。ぜひ結婚を控えている女性の皆様、またその横でパートナーに丸投げしてしまっている男性の皆様、男性目線のアドバイスを少しずつ取り入れてみると良いでしょう。
1.結婚を決めた後に何から始める?
結婚が決まったときすでにその知識は格段に女性のほうが豊富です。女性の話を初めて聞いたときは眉唾のようなこともあるかもしれませんが、そのほとんどが実際に経験した先輩方からの実体験に則した話である場合が多くあります。男性は最初から否定をしないで、疑問があるならアドバイザーへ質問してみたり専門雑誌をよく読んでみたりと情報収集をしましょう。本当に信じられないようなハプニングやエピソードが数多くありますので、そんなことにならないよう準備することが大切です。
まずやらなければならないことは両家挨拶と食事会です。地域によっては結納式が別に執り行われる方もいるでしょうから、それぞれご両親にしきたりや風習などがあるのかどうか確認してください。特に男性側親族が地方出身であれば昔からのしきたりが色濃く残っている場合もありますので、若い感性だけで進めることは絶対にやめてください。もし相手の親戚へ不安の種が残ってしまうと、後々あらゆる場面でしこりが残ってしまう場合がありますので気をつけましょう。
2.運命の式場を探し出す
結婚式場も1年前から会場をおさえましょう。大安吉日の週末・祝日などは早く抑えないとどこの会場も予約が取れない事態になってしまいます。先輩方の意見や専門雑誌に目を通して、実際に訪問・見学をさせてもらってから予約を取りましょう。男性は結婚専門雑誌を手にすることに少し抵抗があるかと思いますが、決して恥ずかしいことではなく率先して二人の門出を成功させようとするツールのひとつと思って、ぜひパートナーと一緒に結婚について話し合ってください。いまは男性用の結婚専門の雑誌やサイトもあるようですので、ぜひ一読してみましょう。
3.列席者の最大の楽しみは料理
料理はそれぞれ式場側のプランに合わせたコース料理が準備されます。男性目線だけで言うと、「肉や酒などおいしいものであれば」と女性へ丸投げしてしまうことが多い場面です。しかしご両家ご両親はどのように考えているでしょうか。祖父母など高齢者や親戚の子供たちなど、年齢層広くおいしくいただける内容となっているでしょうか。特に新郎新婦は当日お色直しなどもあって、ほとんど料理を口にすることができません。だからこそ試食会には両親を伴って、様々な意見を踏まえたうえで料理を決定してほしいものです。
ナイフやフォークよりも箸がいいのか、出身の特産品が使われた料理を出したほうがいいのではないかなど、男性目線の意見もどんどん出し合っていきましょう。
4.進化する引出物。
引出物は、参列者が自分で選べるカタログギフトが定番となりつつあります。これは引出物を式場で渡すのではなく、カタログを持ち帰ってもらって当人でほしいものを選んで注文・自宅お届けするというもの。荷物は軽くほしいものを自分で注文できることから人気がありますが、最近は化粧箱に入れた個別認証カードをギフトにして自宅でWebサイトから注文するタイプも出てきました。カードにはお二人の写真を印刷することもでき、参列者はポケットに入れて持ち帰ることができるということで注目を浴びています。こういう新しい情報を集める能力は特に男性にスキルがありますので、パートナーの横でさり気なく薦めてみると良いと思います。
5.こだわりの演出=オリジナリティー
リムジンで会場へ乗り付けたりウェルカムゲートをバルーンで彩ってみたりと、披露宴に関する演出は数多くあります。スモークを炊いて入場したり新郎が歌を歌って入場してみたり。ここはぜひ女性意見を聞きながら男性の思うカッコいい演出を話し合ってみましょう。趣味にしているバンド関連やスポーツ用具を活かしてみたり、関係者の伝手で有名人をゲストに招いてみたりするのもまたおもしろい演出となると思います。 ただ年配の方には受け入れられないようなものもあったりするので、決して自己満足だけで演出を考えないよう気をつけましょう。
6.話題曲から定番曲までバリエーションは未知数
ウェディングドレス、カラードレス、入退場曲というのは新婦を引き立てる重要な場所。ここだけは男性は口出しせず、お勧めを聞かれたときだけ詩の内容を踏まえながら答えましょう。男性の意見を取り入れてよさそうな場面は、プロジェクター演出や手紙を読む場面などのバックミュージックと開宴前・終演後のホール内音楽がよさそうです。イメージを伝えるという手法は披露宴や手紙の内容を一層引き立てるものなので、老若男女聞いて知っている曲やお二人お勧めの曲を選曲して流してもらいましょう。
7.童心をもつ男性はサプライズ上手
披露宴の準備で忙しい新婦は式当日もヘアメイクや着付けなどで大忙し。できれば心も体も余裕のある新郎がねぎらいと愛情を表せるサプライズを準備してはいかがでしょうか。ある新郎様は、準備期間の週末に友人と会う約束としてサプライズを準備していました。シルバークレイという、粘土を焼くとシルバーアクセサリーになるものがあり、専門ショップに通いで作成してオリジナル結婚指輪を造ったのです。おふたりで指輪を準備する場合は参考になりませんが、このように新婦の知らないところでサプライズを考えて成功させることができれば、きっと新婦もその後の思い出に心に残る良い式だったと言ってくれるでしょう。この記事をぜひ準備初期のうちに男性パートナーへお渡しいただき参考にしていただければ幸いです。
8.男性は「金額」、女性は「夢」、足並みがそろえば最強
披露宴というのは何かと費用がかさむもの。料理でさえひとり3千円を選ぶと50人で15万円、引出物もフリードリンクも人数に対して変動するので終わって清算するまで気が気ではないかもしれません。ですから特に男性が金額に敏感になってしまい、無意識に女性に金額を意識させてしまうきっかけとなって互いにケンカの種を作ってしまうことが多くあります。それでは希望のドレスを選べなくなりますし、華やかなブーケやウェディングケーキなど演出も控えめにして結局不満の残る式になってしまう恐れがあります。
しかし費用というのはお祝儀を集めて足りない分がお二人の準備する費用と考えれば、それほど怖い金額ではないものと思います。たしかに数十万単位となるものとは思いますが、結婚資金のそういうからくりを男性にも説明してあげてください。あわててしまうと見積もり総額がそのまま出費と思って及び腰になってしまうと、女性の肝っ玉で男性を蹴り上げる方法しか残りませんからさり気なく伝えてあげることが大事です。
どうしても費用をおさえたいときは人数変動するもののグレードを下げること、オプションとなるもので手作りや外注で対処できるかを考えることが基本となります。ドレスは持込料が発生しますが、格安で手に入れることができればそちらのほうが安い場合もあるはず。あきらめず予約をするその時からいろいろと情報を集めて検討してみましょう。式経験者からアイデアを集めてお二人らしい式を作り出してください。
9.思い切って手作りウェディングを考えてみる
前述したように、費用をおさえようとすると手作りをすることが出てくると思います。よくある物は、ウェルカムボード・ウェルカムゲート・席次表・案内状・席札・メッセージカード・お礼状・ウェディングケーキ・ブーケ・ブートニアといったところでしょうか。そういう情報はやはり女性が多く耳に入るものですので、男性にぜひ相談して協力してもらいましょう。毎日お仕事を終えた夜、週末などの休日を使って少しずつ作成していきたいものですが、得てして男性はそういう作り物から逃げてしまうことが多いですよね。男としてそういうことが気恥ずかしかったり仕事が忙しくて休みたいという声もあったりして、なかなか協力してもらえません。しかし費用のこと、思いを伝えるアイテムであることなど専門誌をさり気なく見せながら少しずつ関心を持ってもらうしかないのです。結婚を意識するころ、友人や職場の結婚式にともに列席したときに少しずつ意識をもってもらい、ブライダルフェアなど会場展示物を見てもらうとより説得力がありますのでぜひイベントに連れ出していきましょう。フェア得点でオプションがサービスされることも伝えると、喜んで参加してくれるかもしれませんよ。
10.パートナーへのフォローは成功のカギ
式目前まで男性の結婚準備に対する意識がまだまだ低い場合もありますので、女性もそこはきつく責めないようにしてください。男性が悪いわけではありません。結婚式というイベント性よりも、それにかかる費用やその後の生活を成り立たせるための仕事や人間関係などにたいして意識が強くあるからと思われます。逆に女性のほうのそれは、「なんとかなる」「人生最大のイベントなのだから」という意識から金額は二の次になっているときがあります。それぞれの考えが支えあって結婚生活が成り立っていきますので、金額面は了承を取るものと割り切ってイベントの計画は女性主導でリードしていきましょう。
最後に
ここまで見ていると男性と女性の意識の温度差が垣間見えることと思います。これはよく聞くトラブルで、アドバイザーの目の前でケンカをするおふたりを担当したこともあります。女性にとって結婚という特別なイベントは、出産とならんで人生の大きな節目となります。それは結婚式までの準備も女性負担が大きく、また妊娠期間という男性より10か月も早く子供と接する時間があるからです。それを考えると男性は結婚しても苗字が変わるわけでも、子供が増えて家事が負担になるわけでもありません。どうしても家族が増えるから仕事をしっかりと、という意識に支配されがちなのです。
ブライダルフェアや式場イベント、知人の結婚式列席など、幾多のチャンスを活かして男性に結婚式というイベントの重要性を根付かせてください。できれば自発的にアイデアを出してくれるようにするのがベストですが、新郎の友人や家族など協力者から意識させることもいいでしょう。
一生一度の晴れ舞台、不満が残るような残念な結果に終わらないよう下準備が大切ですが、一番の協力者であるパートナーとの共同作業が一番の思い出に残ったりします。ぜひパートナーの協力を得られるよう頑張ってみてください。男性も満足のいく式ができれば、最高の披露宴と言えるでしょう。
この記事を書いた人
著者 : ドルフィンポポ
沖縄の結婚式場にブライダルアドバイザーとして数百組を担当。4年務めた経験から友人・知人の披露宴の幹事を担当することも。現在はWebライターとして沖縄を拠点に仕事をしています。